日本人MBAジョブマーケットの危機

留学前にキャリアイベントが目白押し -
こんな光景は日本のMBA独特だそうだ。下手すると離日前にインターンが決まってしまうというある種の青田買いは他の国の留学生からは驚きの目を持って見られるのも当然だろう。
しかし、そんな状況も今年を境に残念ながら少し変わってくるかもしれない。

参加者が半減 - 毎年MBAの私費留学生向けのキャリアイベントであるAXIOMのキャリアイベントには昨年までに比べ、参加者数が大幅に減ってしまっているそうだ。例年は登録者数120程度で参加は100名程度だったのだが、今年は登録者数70~80程度、参加者はなんと50名だそうだ。会場は泉ガーデンギャラリーだったが、そこを借り切るには到底足らない数だ。主催社AXIOMの渡邊社長もこの形式で来年も続けるのは厳しいかもしれないと漏らしていた。

もちろん今年の留学生としては、自分のマーケットバリューを考えればコンペティターが少なければ少ないほどいいに決まっている。ただ、日本人MBA卒業生というマーケット全体を考えると価値が下落することは避けられない。MBAは決してMBAだから採用されているわけではない。MBA以外にロジカルシンキングや英語コミュニケーションなどの必要なポテンシャルを持った人材を揃える供給市場がないから(特に日本では)MBAが珍重されるのだ。これはモニターグループの西谷代表も言っていたことだから間違いない。この供給市場自体の魅力がなくなったら、ここから人を採用する企業も減るだろう。そうなれば自ずと高い給料を得る人も減ることになる。

もちろん、今年の傾向が来年以降も続くとは限らない。今年はリーマンショック以後の不景気でMBAアプリカントが大幅に増えたことの影響で、英語に弱点を抱える日本人アプリカントが苦戦して激減した可能性は否めない。ただ、激減が一過性だとしても、2001年以降緩やかな留学生数の減少が続いていることは否定のしようのない事実だ(http://www.anokuni.com/contents/ryugaku_data/ryugaku_data_100402.pdf)。
今の私にすぐ出来ることはこうやってブログを書いて少しでも多くの方に興味をもってもらうことだが、将来的にはもっと別の形で留学を志す人のお手伝いができたらと思う。

(参考)日本への留学生は増加している→http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data07.html

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