素直ではないイギリス英語

イギリス英語は直截的ではない点、良くも悪くも紳士的である。

ずいぶん前になるが、MBAの本コースに先立って行われていたBusiness Englishコースで「What the British Really Means」というものを習ったので、忘れないうちにアップしておこうと思う。
見ていただければわかるが、アメリカ人と違ってイギリス人は思っていることをその通りに言わないことが多々あるのだ。


イギリス英語での頻出語とその本当の意味
  1. I hear what you say (あなたの言うことを聞いていますよ)
    本当の意味→ I don't care about what you are saying (あなたが何を言おうと私は気にしない)
  2. With the greatest respect (最大限の敬意を持って)
    本当の意味→ I think you are a fool (お前は馬鹿だ)
  3. Not bad (悪くない)
    本当の意味→ Good / Very good (よい/すごくよい)
  4. Quite good (非常によい)
    本当の意味→ A bit disappointing (あまりよくない)
  5. It would be nice if... / Perhaps you would like to think about... (~したらいいのでは?)
    本当の意味→ You definitely should do / It is an order to do so (~しなさい)
  6. Oh, by the way / Incidentally (ちなみに)
    本当の意味→ This is the primary purpose for our discussion (当初の目的はこれだ)
  7. Very interesting (非常に面白い)
    本当の意味→ I don't like your idea (好きではない)
  8. Could we consider the options (別の選択肢を考えよう)
    本当の意味→ I disagree with you (反対だ)
  9. I'll bear that in mind (心に留めておきます)
    本当の意味→ I will do nothing about it (何もするつもりはない)
  10. I'm sure it is my fault (確かに私の責任です)
    本当の意味→ It's not my fault / It's your fault (私の責任ではない/あなたの責任だ)
  11. That is an original point of view / That is a brave option to consider 
    本当の意味→ You must be crazy (あなたはどうかしている)
  12. Not entirely helpful (まったく役に立たないわけではない)
    本当の意味→ completely useless (まったく意味がない)
イギリスに来る前は quiteはveryと同じ意味だと思っていたが、当地ではまったく反対の意味で使われてたりするし、Not badが普通にほめ言葉で使われたりもしている。LBSはイギリス人が1割しかいないので、これらが学校内でそのまま流通しているかと言うとそんなことは全くないし、むしろアメリカ英語の方が主流だったりする。でも、イギリス紳士の流儀を知るのもそんなに悪いものでもない。

LBSの拡大路線

LBSがMBAコースの規模を拡張するらしい。

少し前になるが、期末に行われたStream Meetingに参加した際に学校からMBAコースの拡張計画についてちらっと話がなされた。我々の卒業後の話であること、当日のメインテーマと関係なかったことから本件については一切質問がでなかったが、興味がある人もいると思うので書いてみたいと思う。(ただし、他の作業をしながら片耳で聞いていて間違って理解している部分があるかもしれないので、本当に知りたい方は別ソースをあたってみてほしい。)

現在MBAコースは1つのStreamが80名で、計5Streamあることから、1学年400名ほどの規模である。LBSはHarvardやWhartonなどのUSマンモス校と比べればずっと小さい中堅規模のスクールであるが、ここ数年で4Streamが5Streamになり、職務経験不要のMiM(Master in Management)コースを新設するなど拡大基調にあった。ただし、もうすでにCapacity限界のところまで来ていて、LBSにいるとわかるが、教室繰り等はかなり苦しい感じになっている。ただ、校舎を増やそうにも狭いLBSの敷地ではキャパシティの拡大など到底できないことだと思っていた。

しかし、学校側は今回Stream数を6に増やす計画のようだが、それにあたって強引な方法で校舎を増設するようだ。それは現在SainsburyとProwdenという二つの校舎の間にある中庭(Quad)を潰して校舎を建てるというものだ。天気のいい日は学生たちがサンドイッチ片手に話をする場になっているので、それがなくなるというのは非常に残念である。

とはいえLBSの上げ潮路線はビジネス上は当然のことなので止むを得ないというべきか。
今後も続報があればアップしていきたいと思う。

潰れるかもしれないこじんまりとした中庭

LBSの短縮オプションについて

ブログ読者の方からLBSの短縮オプションについて質問を受けたので、このオプションについて書いてみたいと思う。

LBSの15ヶ月/18ヶ月卒業オプションについて
ロンドンビジネススクールは本来は21ヶ月のプログラムだが、15ヶ月ないし18ヶ月で卒業するオプションが存在する。これはElectiveを前倒しで受講するほか、Block Weekで単位数を稼ぐことで前倒しで卒業単位を履修し卒業するというものだ。

Block Week?と思われた方も多いと思うが、これはLBS独自の授業形態になる。通常であれば3ヶ月のTermの間に10回程度講義がある形式なのだが、LBSではこれに加えて土日を併用した不定期開催のModularという形式と、休み期間に1週間で10回分の授業をまとめて履修するBlock Weekという形式がある。これを活用することで、単位を早いタイミングで揃えることが可能になるのだ。

短縮オプションを取る人は多いのか?
この制度を使って早く卒業することを考えている方もいると思うが、結論から言うと可能ですがあまりお勧めしない。実際に短縮して卒業する人の割合はあまり高くないし、日本人では聞いたことがない。短縮卒業が少ない理由は三つあるように思う。
  1. インターンをしてすぐ働き始めるというのは難しいという就職面での理由。インターンが終わってからオファーがでるまでには時間がかかる場合が多いし(7月にインターンをして12月に具体的なオファーがでた企業もある)、希望企業からオファーがでなかった場合引き続き就職活動をしなければいけないためだ。一般にインターンした後企業がオファーを出す割合は30-50%程度だと言われているので、インターン即フルタイムといかないのが現状のようだ(日本はもっと甘いようだが)。
  2. 取りたい授業がとれないという勉学面での理由。LBS1年目はCoreと呼ばれる必修授業の割合が多く、取りたい授業を取るElective2年目のほうが遥かに充実している。従って、短縮しようとすると必ずしも取りたい授業以外も履修して単位数を稼ぐ必要が出てくる可能性がある。これでは高い学費を払ってきた意味がない思う人がいても不思議ではない。 
  3. 周囲も大体21ヶ月スケジュールで動いているので、周りの人と速度感が合わずキャンパスライフを十分に楽しめなくなってしまうという心理的な理由。ビジネススクールはネットワーキングが大きな目的のひとつなので、それが十分にできないのは勿体ない。
インターンができることと2年間というモラトリアムを得られることが2年制のMBAのいいところだと思います。もし最初から短縮でいきたいということであれば、1年制のスクールにいかれるほうが満足度が高い気がします。

せかせかするのはLBSの流儀ではないかも・・・

期末テスト終了、そしてモロッコへ

今日でようやくAutumn Termの期末テストが終了して、晴れてバケーションに。

LBSのテストの詳細についてはまた別の機会に譲りたいが、基本的には日程的に分散されているのであまり大変ではない。が、しかし残念ながら人間の性ですぐやるべきことから順にやっていくと、いつの間にか手が回っていないテストの日が近づいてくるということの連続だった。
私は勉強の夜更かしは根気が続かないので、高校時代から学校の試験は前夜にまとめて早朝に起きて詰め込むというのが典型的なパターンなのだが、今回もご他聞にもれず当日は朝4時半とかからやる(やらざるを得ない)羽目になった。もう少し事前にやればいいのだろうが、Japan Tripの準備等もあって結局おなじみのやり方に落ち着く。もっとも昔みたいに気合を入れて3時起きとかにする必要がないだけ楽なものだ。

さて、最後のFinancial Accountingのテストが終わって、いよいよ明日からはモロッコ行きだ。
以前スペイン旅行のついでにフェリーで上陸して5日間ぐらい過ごしたことはあるが、今回は2週間。アトラス山脈を越えて悠久のサハラ砂漠にいく余裕も十分ある。砂漠やラクダは中国のタクマラカン砂漠やインドのタール砂漠で経験したことがあるが、今回はサハラ。きっと何か違うものがあるはずだと非常に楽しみにしている。また戻ってきたらモロッコ旅行の話も載せてみたい。

LBSの多様性の限界

LBSが誇るダイバーシティの限界を感じる今日この頃だ。

以前書いたとおりロンドンビジネススクールはダイバーシティーがひとつの大きなキーワードである。確かにインターナショナル比率(母国以外の学生の比率)は9割で、最大勢力のアメリカ人だって2割くらいだ。たとえば同じスタディグループの国籍を見ても日本、アメリカ、イギリス、タイ、フランス、ロシアといった感じだ。クラスに飛び交うアクセントもかなり多種多様だし、授業中の発言もお国柄を反映していて面白い。講師陣も今のところポルトガル人、ギリシア人や中国人などバラエティに富んでいてイギリス人はお目にかかったことがない。この国籍という観点だけ見れば周囲の大多数がアメリカ人のUSスクールとは明らかに差があるといえる。

しかし、一見多様性に富む彼らの教育のバックグランドを見ると結構似通っているのだ。たとえばアジア人でも高等教育はUS、英国、豪州、カナダなどアングロサクソンの国の大学で受けている人が大半だったりする。したがって、彼らの根底にある考え方や価値観はアジア人のそれではなく、結構アングロサクソン的だったりするのだ。たとえば韓国人の同級生は10人いるが、一人を除いてみんな海外に在住または留学をしていた人だ。自国で生まれて自国の学校に学んで自国で働いていた、いわゆるドメスティックな人間が過半な国はあまりない。知っている限りでは日本と中国ぐらいだろうか。

よく言えばエリートが集まっている、と言えるのだろうが、下手にダイバーシティという点に期待を抱いていたためにがっかりしてしまったのだろう。この点USのスクールはまた別のダイバーシティがあったりするのだろうか。

ビール好きは万国共通
若干ネガティブに書いてしまったが、それでもLBSの出身国の多様性は代えがたい魅力であることには変わりない。ダイバーシティの限界を知った上で最大限活用していきたい。

Japan Tripサインアップ開始

12月1日にJapan Tripのサインアップが始まった。

公式ホームページ( http://lbs-japan.jimdo.com/ )からサインアップができるようになっている。
このページは同期のY氏が作成してくれているのだが、これだけ立派なホームページがあるということ自体が申し込みをしようとしている人に安心感を与えてくれるのだから、このサイトは非常に重要なマーケティングツールであるといって過言ではない。

さて三日間でのサインアップ件数は47件だ。昨年も初三日では二十数件のサインアップだったから、今年は非常に好調な出だしだと言えるだろう。これもそれもプロモーションでみんながいい仕事をした結果であることに他ならない。フライヤーを20デザイン作ってくれたI氏も本当にお疲れ様でした。

サインアップの締め切りは2月5日と2ヶ月先だからまだ最終の数を推測するのは難しいのだが、願わくば過去最大だった昨年の77名を越えることができればと思う。そのためにも今一度どこかで再度念押しのプロモーションが必要かもしれない。
いずれにしろ競争が激しい中、最終的に何人集まるか非常に楽しみである。

バーバラ・ミントの特別講義

伝説のコンサルタントともいうべきBarbara MintoがLBSにやってきた。

彼女の名前は経営書の大ベスト&ロングセラー「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」でご存知の方が多いと思う。ご他聞に漏れず私もその口だ。あちらこちらでお勧めの本として挙げられることも多いので私も過去に一度買って読んだものだ。ただロンドンに移住するに当たって売ってしまったくらいなので、あまり思い入れがあったわけではない。とはいえ、せっかくLBSにくるのであれば是非人となりを見てみたいと思って参加してみた。

講義自体は非常にシンプルなメッセージで、彼女の「ミントピラミッド」ーレポートのメッセージは必ず一つでなければならないというものだった。言いたいことが複数ある場合は、それを包括する一つのメッセージが必ずあるはずであり、複数のポイントがある場合は議論が十分ではないということだ。コンサルタントをやっている人にとっては当たり前のことかもしれないが、それをマッキンゼーの時の経験から帰納的に導き出したバーバラの言葉は非常に説得力があった。

バーバラの生授業
残念だったのはさすがのバーバラも年齢には勝てなかったこと。HBSを卒業した年を考えると75歳くらいになるだろうか、途中途中で言うべきことを忘れてしまって「ここでは何を言うべきだったかしら」と呟く姿は様になっているとはいえなかった。それでも自身で語る彼女のライフストーリーは非常に面白いものがあった。ハーバードビジネススクールで女性が入学を許可されて2年目の年に入学、900人中女子が8人のみという環境を潜り抜け、マッキンゼーでコンサルタントになったという経歴は彼女自身の誇りであることが伝わってきた。

そして一番驚いたのは講義後に彼女がLinkedInに登録しているという事実を知ったとき。講義でPowerPointを使いこなしている事実にも感心したが、Social Networkまで手を拡げているとはさすがただのお婆ちゃんではない。

LBSの奨学金


LBSから奨学金をもらった学生のミーティングがあった。

以前も書いたが、MBA留学をするにあたって一つの大きな心理的な壁が資金である。実際はお金はいざとなればどうにでも調達できるだろうし、最悪学校からも借りれるのだから越えられない壁ではない。とはいえ、借金は少なければ少ないほうがいいのだから、その点非常に助けになるのは奨学金である。以前も書いたが奨学金は①受験前に申し込む奨学金(フルブライトやロータリー)と②受験後に申し込む学校の奨学金がある。私がもらっているのは②の学校から支給されるタイプの奨学金だ。LBSの②の奨学金は下記サイトに記載がある。
http://www.london.edu/programmes/mba/scholarships.html

さて、奨学金をもらった学生のミーティングだが、中身は今後の奨学生パーティーの告知と奨学金拠出者へ感謝状の用意についてのブリーフィングだった。ランチつきと書いてあったが、ランチはミーティング中には間に合わず、ミーティング後に用意されていたのは相変わらずのご愛嬌だ。

それにしても驚いたのは奨学金をもらっている人の数だ。最大の教室の大半が埋まっていたことからして70~80人程度は奨学金をもらっていると思われる。これはMBAだけではなくMiMなど他のコースも含まれているのだが、うちのストリームからも9人参加していたので、単純計算で大体1割強の学生はLBSから奨学金をもらっている計算になるだろうか。これ以外にもLBS以外の団体からの奨学生も一定いるはずなので全体で2割くらいは奨学生なのかもしれない。それだけかと思われる人もいると思うが、MBAは投資で来ている(つまり卒業後回収できる)人が大半だし、MBAの高額な学費を考えるとこの奨学金需給率は非常に高いと感じた。



顔ぶれを見ると非常に賢く目立っている同級生もいれば、(自分も含め)クラスでそれほど目立たない同級生もいるし、国籍も非常にバラバラで特定の層が受給しているというわけでもなさそうだ。ちょうど先般もLBSの奨学金についてこのブログを通じて問い合わせしてくださったアプリカントの方がいらっしゃったが、とにかく応募してみるべき、というのが奨学金についてのアドバイスになるだろうか。

奨学生が一同に会す