エジプトではない大英博物館

イギリスに上陸して早1ヶ月半、ようやく大英博物館(British Museum)に行ってきた。10年前に旅行した際にも来たので、それ以来2回目となる。

大英博物館は実は我が家から歩いて10分とすぐそばにあるので、いつでも行けるのだが、いつでも行けるというのが仇となって今日となった次第である。ちなみに妻はもうすでに何度か訪れているので、彼女のガイドのもとエジプト館から歩くことにした。


巨大な大英博物館の内部
10年前来た際はエジプト館は改装中で見ることができなかったし一番人気なのもエジプトだと聞いていたので、今回胸を膨らませて来たのだが、残念ながら期待ほどではなかった。やっぱりエジプトを知るにはエジプトに行かないとだめだというのが感想。もちろんラムセス2世像などおっと思うものはあるが、期待がどうも大きすぎたようだ。

逆に目から鱗だったのだが、アッシリア関係の展示。アッシリアはイラク北部から生まれたペソポタミアの大帝国だが、お恥ずかしながらこれまであまり詳細を知らなかった。ここではかつての帝都ニネヴェやニムルドから発掘された膨大な量のレリーフや彫刻がそのまま展示されているのだ。説明をみると、オスマントルコ時代にトルコがイギリスとフランスに発掘を自由にさせていたためこれだけのコレクションがあるそうだ。

人頭有翼牡牛像
量には驚かされたが、それ以上に驚いたのがその質だ。なんといっても保存状態が非常に良い。新婚旅行でいったイランのペルセポリスなどよりずっと細工も細かい。ペルセポリスを建てたアケメネス朝ペルシアより時代が前であるのにも関わらずだ。ペルセポリスのあまりの巨大さと壮麗さに打ちのめされた後だっただけに、それを上回るこのアッシリア関係の展示には本当に衝撃を受けた。今のイラクにはニネヴェにしろニルムドにしろ、もう保存状態の良い遺跡はあまり残っていないだろう。でも、遺構を見るだけでもオリエントの巨大王国だった往時を偲ぶことができそうだ。
バビロニアも含めてイラクにもいつか行かねばと改めて思った次第である。早くイラクの地にも平安が訪れるとよいのだが・・・

驚くほど細かなレリーフ

ライオン狩りは王のみの特権

遅お昼だったこともあって残念ながら今回はエジプトとアッシリアで終わることに。家から近いし入場料もタダなのでまた暇なときに遊びにこよう。


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