まさかの入院1/2


先週ロンドンで3日間ほど入院することになった。あまりロンドンで入院した経験のあるMBA生もいないと思うので簡単に顛末を書きたいと思う。



10月下旬のボストンキャリアフォーラムに参加して以降、忙しい日が続いていたのだが、11月半ばより熱が出て変な咳をするようになってしまった。最初は単なる風邪だと思ったのだが、熱が引いても咳が止まらずこれは変だということで病院にいったのが始まりだった。
最初にいったのはCityにある日本人医師のいるGreen Medical Centerだったのだが、ここで気胸だと診断されたのだ。気胸は簡単に言えば肺に穴があいて肺が肺の入れ物である胸腔内でしぼんでしまい酸素を正常に血液に取り込めないというものだ。原因はわからないが、外部からの衝撃等でなることが多いそうだ(だからやせている男の人に多い)。ただここは診療所で対応できないということで紹介状を持ってNHSのA&E Centreという休日・急患窓口の門を叩いた。

英国の医療制度のNHSはNational Healthcare Serviceの略で、無料なのはいいのだがろくに見てくれないとか、予約が取れないだとかとかく悪い評判が多いシステムでもある。私もどれだけ待たされるのだろうかとか、そもそも見てももらえなかったらどうしようとか思ったが、紹介状を持っていたことがよかったのか比較的優先的に診てもらうことができた。そこであっさりとこのA&E CentreがあるUCL Hospitalへの入院が決まった。ここは名前(University College London)でわかる通り、日本で言うところの大学病院だから、医療内容も信用できるし個人的には非常にありがたかった。おまけに5-6年前にできたとのことで、非常に綺麗で設備も文句のつけようがない。周りの患者もここに入院させてもらうのはかなり大変だといっていたので、私は非常にラッキーだったと言えるだろう

症状はというと軽度で血液中の酸素量も96%とまったく正常だったので、胸腔内の空気を大きな注射器で体の外に出して少ししぼんだ肺を拡げるというものだった。とはいえ、実際に抜き始めたら空気が2リットルも抜けたのには驚いた。レントゲンで見たら縮小しているのは20%分くらいだと医者もいっていたのだが、これではかなりの容量だ。私の身長と年齢の平均的な容量は4.5リットルくらいのはずだから、なんだかおかしい。処置をする若い先生の横に立っていた年配の先生もYou must be jokingと言い出したくらいだ。よっぽど私の肺の容量が大きいのか、それとも胸腔内に溜まっていた空気が意外と多かったのか。

結局入院二日目にこの処置をしてレントゲンで確認して翌日に退院ということになった。手術をしたわけでもないので、ほとんどベッドで寝て過ごしただけなので、3日間も非常に長い時間となった。ただ個人的に痛かったのはスキューバダイビングを以後禁止されてしまったことだ。リゾートダイバーではあるものの、ひとつの趣味が消えてなくなってしまったのは寂しい限りだ。

そして驚くなかれ、今回の一連の入院は一切無料とのことだった。プライベートの病院だったら一泊数万円~十数万円するそうなので、無料(※)のNHSとの格差は非常に大きい。 このサービスを留学生にも適応してくれるイギリスの懐の深さに感じ入った三日ともなった。

(※未確認ですがたぶん手術は有料だったと思います、念のため・・・)
UCL Hospital

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