パリで組織文化を考える1/2

3日間のロンドン滞在の後パリにやってきた。
もともとは今回の休暇はロンドンで住居探しの下調べをするつもりだったので比較的長めにお休みを取ったのだが、寮を割り当ててもらえることになったのでその必要がなくなったのでパリに寄ってから帰ることにした。

パリ行きの目的は観光ではなく二人の友達に会うことだった。一人目は財務省からEU法を勉強にきているK氏、二人目は検事で法務省から同じく派遣留学しているY女史だ。二人とも私と入れ替わりで帰国してしまうので、ならばこちらにいる間に会ってしまおうということで急遽捻じ込ませてもらった。
K氏はもともと一緒に東大の駒場祭の運営を中心になってやっていた仲間で、事務処理能力が驚異的に高い。候補はいくらでもあっただろう中で官庁中の官庁である財務省という選択は何とも彼らしい。
彼に言わせれば、官僚という組織は下っ端ほどマネジメント能力が必要となる不思議な組織らしい。何を意味しているかというと、下の人間は上の人間の手を煩わせないように物事を周旋することを求められているそうだ。したがって上に行けば行くほど自分がウォッチしないといけない人間の数は減るということになる。その代わりに上の人がすることは組織のマネジメントではなく、政策を纏め上げたり政治家とお話したりということのようだ。
よく聞く課長より下の人間が朝五時まで資料作ってるとか、オンライン購入は経費申請できないとかそういう不合理な職場環境を改善するということは、管理職がやるべき仕事でもなく、かといって下っ端がどうにかできる内容でもないため、不合理が延々と生き延びてしまうということだそうだ。また、できない理由を挙げることに関しては世界一優れている(と彼は自称していた)組織では、今やっていることを変えることは本当に難しいのだろう。
彼も変えなければいけないということは十二分に理解しているし、彼をはじめ海外に留学している官僚の人はおそらく大半が日本の官僚機構が如何に特殊な組織になってしまっているかわかっているはずだ。そういう人が多くいるにも関わらず変わらないのは、やはり組織の文化が壁として立ちはだかっているからだろう。
(続く)

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